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スピッツ『ハチミツ』はなぜ名盤?全11曲の魅力と30周年レコードの違い

緑の野原で赤いワンピース姿の人物がギターを持ち、「スピッツ ハチミツ 30th Anniversary Edition」と記したイメージ画像
アルバムの雰囲気を参考に制作したイメージ画像です。公式ジャケットではありません。

「ロビンソン」は、イントロを聴けばすぐに思い出せる。でも、その曲がアルバムの何曲目に入っていたかは、意外と知らないかもしれません。

答えは8曲目。1995年のスピッツ『ハチミツ』には、その前に7曲、後ろに3曲が続きます。やさしいメロディーに耳を預けていると、ふいにロックバンドらしい鋭さや、少し不思議な言葉が顔を出す。「ロビンソン」が好きな人ほど、アルバムを通して聴くと新しい発見がある一枚です。

この記事では、オリジナル全11曲の聴きどころを曲順にたどり、1997年盤・2017年盤・2025年の30周年レコードの違いも整理します。2025年盤は、オリジナル11曲にライヴ4曲を加えた2枚組LPです。懐かしいCDをもう一度聴きたい人にも、初めてLPを買う人にも役立つガイドです。

目次

『ハチミツ』が名盤と呼ばれる理由

『ハチミツ』は、1995年9月20日に発売されたスピッツの6枚目のオリジナルアルバム。同年4月の「ロビンソン」、7月の「涙がキラリ☆」というヒットを経て登場しました。

スピッツにとって初のオリコン週間アルバム1位、そして初のミリオンセラーとなった作品です。オリコンの作品情報ではチャート登場57週。担当ディレクターの竹内修は、2015年の公式解説で累計160万枚超のセールスを記録したと振り返っています(売上枚数はその解説時点の数字です)。

数字の大きさ以上に面白いのは、ヒット曲だけが目立つアルバムになっていないこと。タイトル曲「ハチミツ」の軽やかさ、「愛のことば」の陰影、「トンガリ’95」のギターの勢い、「Y」の静けさ。曲が変わるたびに、同じバンドの別の顔が見えてきます。

共同プロデューサーの笹路正徳との制作は本作で3作目。竹内の解説には、当時のバンドの成長と制作チームの信頼関係が、演奏や歌声、音色に反映されたことが記されています。売れるために代表曲を並べただけではなく、バンドとしての充実が一枚に収まった――そんな背景を知ると、曲順にも耳を傾けたくなります。

『ハチミツ』全11曲の魅力と聴きどころ

1995年のオリジナルCDと同じ曲順で紹介します。気になる曲から読んでも、1曲目から順番にたどっても楽しめます。

01. ハチミツ

軽やかなメロディーで始まるタイトル曲。Aメロに現れる変拍子がさりげないアクセントで、親しみやすいのにリズムを追うと意外な面白さがあります。スピッツの「かわいらしさ」だけでなく、さりげないひねりも楽しめるオープニング。次の大ヒット曲へ、自然にバトンを渡します。

スピッツ公式MV「ハチミツ」 YouTubeで見る

02. 涙がキラリ☆

「ロビンソン」に続いて1995年の夏にヒットしたシングル。伸びやかな歌声と大きく開けるサビが印象的ですが、ただ明るいだけでは終わらないのがスピッツらしいところ。知っている曲でも、アルバムの2曲目として聴くと景色が少し変わります。

スピッツ公式MV「涙がキラリ☆」 YouTubeで見る

03. 歩き出せ、クローバー

やわらかな響きの曲名とは裏腹に、前へ進もうとする力を感じさせるナンバー。1番と2番で同じ道をたどらないメロディーの展開にも耳を向けたい曲です。ヒットシングルの間に置かれたアルバム曲まで充実していることを、早くも実感させてくれます。

04. ルナルナ

弾むリズムと親しみやすいメロディーが耳に残ります。一方で、言葉の組み合わせはひと筋縄ではいきません。明るさの中に少し奇妙な感触があるところが魅力。次の「愛のことば」へ進む前の、軽やかなアクセントにもなっています。

05. 愛のことば

メロディーが開ける瞬間の美しさに対して、歌詞から受ける印象は必ずしも穏やかではありません。甘いタイトルのアルバムに、簡単には言い切れない感情が潜んでいることを感じさせる一曲。ヒット曲だけを聴いてきた人に、特におすすめしたい曲です。

スピッツ公式MV「愛のことば」 YouTubeで見る

06. トンガリ’95

ギターのリフと力強い演奏が前に出るナンバー。直前の「愛のことば」と続けて聴くと、曲調の落差が鮮やかです。透明感のある歌声から入った人にも、スピッツの骨太な一面を教えてくれます。

07. あじさい通り

「トンガリ’95」の勢いを受けて、空気をゆっくり変えていく曲。どこか懐かしい響きがあり、アルバムの流れに深呼吸するような余白を作ります。この曲を挟んでから「ロビンソン」が始まる並びにも注目です。

08. ロビンソン

印象的なギターのイントロと、空へ抜けていくようなメロディー。単独で聴いても完成されたヒット曲ですが、『ハチミツ』では11曲中の8曲目です。前の「あじさい通り」から受け取り、次の「Y」へ渡す一曲として聴くと、ベスト盤とは違う表情が見えてきます。

スピッツ公式MV「ロビンソン」 YouTubeで見る

09. Y

「ロビンソン」の直後に置かれた、抑えた表情の一曲。静かなギターのアルペジオを手がかりに、声と伴奏の距離感や、少しずつ広がるアレンジに耳を向けてみてください。アルバムは一度大きな山を越え、ここから終盤へ向かいます。

10. グラスホッパー

静かな「Y」の後、歯切れのよいロックが戻ってきます。勢いがあってもメロディーの親しみやすさは失われない。その両立が『ハチミツ』らしいところです。アルバムがきれいに落ち着くだけでは終わらないのも楽しいポイント。

11. 君と暮らせたら

最後に置かれているのは、親密な空気をまとった一曲。派手なフィナーレではなく、日々の暮らしへ戻っていくような余韻が残ります。1曲目の「ハチミツ」と並べて聴き直すと、このアルバムに通うやわらかさをもう一度感じられます。

まず3曲だけ聴くなら、「ロビンソン」→「愛のことば」→「ハチミツ」。知っている曲からアルバムの別の表情へ進む順番です。気に入ったら、1曲目から通して聴いてみてください。

Spotifyでアルバム全体を試聴

4本のMVで気になったら、こちらからアルバム全体を。配信音源による参考試聴であり、実際のレコードの再生音や30周年盤のライヴ4曲とは異なる場合があります。

1997・2017・2025年のレコードを比較

レコードは、同じ『ハチミツ』でも発売年によって曲順・枚数・追加収録曲が変わります。手持ちのCDと同じ並びがよいのか、珍しい曲順を楽しみたいのか、それともライヴ音源まで欲しいのか。盤を選ぶポイントを整理します。

1997年盤1LP/CDとは異なる曲順A面は「トンガリ’95」から、B面は「Y」から始まります。品番:POJH-1004。
2017年盤1LP/CDと同じ曲順結成30周年の再発盤。重量盤で、オリジナル11曲をCDの順番で楽しめます。品番:UPJH-9030。
2025年盤2LP/ライヴ4曲を追加アルバム発売30周年盤。重量盤・カラーヴァイナル、リマスター音源を採用。品番:UPJH-9101/2。

2025年9月17日発売の30周年盤は、エミリー・ラザーによるリマスター音源を採用。以下のように4面に分かれており、最後のD面にはライヴ4曲が収録されています。

2025年盤・2LPの収録内容

SIDE A(LP 1・本編 01–04)

  1. ハチミツ
  2. 涙がキラリ☆
  3. 歩き出せ、クローバー
  4. ルナルナ

SIDE B(LP 1・本編 05–07)

  1. 愛のことば
  2. トンガリ’95
  3. あじさい通り

SIDE C(LP 2・本編 08–11)

  1. ロビンソン
  2. Y
  3. グラスホッパー
  4. 君と暮らせたら

SIDE D(LP 2・ボーナス・ライヴ)

  1. 愛のことば(Live)
  2. ロビンソン(Live)
  3. 君と暮らせたら(Live)
  4. ルナルナ(Live)

LP2のA面は「ロビンソン」から「君と暮らせたら」まで。アルバム本編の終盤を1面にまとめ、その後に針を落とすとライヴ4曲へ進む構成です。オリジナルとライヴを一緒に持ちたい人には、この30周年盤が分かりやすい選択肢になります。

2025年の30周年記念2LP

Prime Recordsでは、2025年発売の2LP(品番UPJH-9101/2)を紹介しています。盤の仕様を確認してから、Amazonの取り扱い状況へ進めます。

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リンク先は2025年盤です。1997年盤・2017年盤とは異なります。価格・送料・在庫は購入先でご確認ください。

買う前に知っておきたい3つのこと

  1. 「発売30周年」と「結成30周年」は別

    2017年の1LPと2025年の2LPでは、枚数も追加曲も異なります。品番と発売年を確認しましょう。

  2. 2025年CD版のBlu-rayはLPには付かない

    映像ディスク付きなのは2025年のCD版(UPCH-7779)。今回紹介しているアナログ盤は2LPです。

  3. リマスター・重量盤でも音質の優劣は断定できない

    2025年盤の仕様として重量盤・リマスターは確認できますが、旧盤との実機比較はしていません。

もう一歩掘る:20周年トリビュート

2015年には発売20周年を記念して、『JUST LIKE HONEY ~『ハチミツ』20th Anniversary Tribute~』が登場しました。赤い公園、10-FEET、indigo la End、クリープハイプ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONなどが参加し、オリジナルの11曲を同じ順番でカヴァー。さらに「俺のすべて」を加えた全12曲です。2025年には配信も始まりました。

一曲ごとに別のアーティストの解釈が並ぶのに、曲順は『ハチミツ』と同じ。原曲を聴いてからトリビュートへ進むと、楽曲そのものの強さや、歌い手によって変わる表情も楽しめます。

「ロビンソン」の先に、もう一度聴きたい11曲がある

『ハチミツ』は、1995年の大ヒットを記録したアルバムであると同時に、今でも1曲ずつ新しいお気に入りを探せる作品です。「愛のことば」で立ち止まる人も、「トンガリ’95」に驚く人も、「君と暮らせたら」の余韻が好きな人もいるでしょう。

レコードで聴くなら、曲順が異なる1997年盤、CDに近い構成の2017年盤、ライヴ音源も楽しめる2025年の2LP。どの盤を選ぶかで、同じアルバムとの付き合い方も少し変わります。

次の一枚を探すなら、今回紹介した『ハチミツ』30周年2LPから。ほかのスピッツ作品や、懐かしい90年代のヒット曲も掘ってみてください。

参考資料

公式サイト・メーカー情報などを確認する

公式情報確認日:2026年10月19日。

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